孫子の兵法で挑む情報処理安全確保支援士試験(令和7年度秋期合格までの道のり)
枕詞
本記事では筆者(白い犬)が令和7年秋の情報処理安全確保支援士試験(SC)を受験した際に行った勉強法について記載しています。情報処理安全確保支援士試験(SC)ではセキュリティに関する知識や能力が問われます。2025年秋当時、筆者はソフトウェアエンジニアの仕事をしていましたが、セキュリティにはあまり詳しくなかったので、セキュリティについての知見を深めるべく、情報処理安全確保支援士試験(SC)に挑戦してみました。勉強期間は2025年7月初旬から2025年10月14日までの3月ほどした。結果は合格でした。
本記事の目的は未来の情報処理安全確保支援士試験の受験者のみなさまに筆者(白い犬)の勉強の軌跡を共有することです。
IPA試験をめぐる情勢(2026年3月現在)
以下の記事のように、2026年度の高度情報試験およびSC試験は、2026年11月および2027年2月とアナウンスされています。また、応用情報技術者試験および高度情報の試験は統合されることがアナウンスされており、IPA試験が今後どうなるかは不透明です。
https://www.ipa.go.jp/shiken/2026/ap_koudo_sc_yotei.html
しかし、情報処理安全確保支援士(SC)は他の高度情報処理技術者試験(ネットワークスペシャリストやプロジェクトマネージャー試験など)とは独立した試験なので、SCは他の高度試験とは別で統合されず継続されるのではないかと筆者(白い犬)は考えています。今後のSC試験はCBTになるものの、今後も独立の試験として継続されるのではないかと思います。
本記事が未来のSC受験者の勉強の助けになることを願っています。
本記事のSC受験心得結論
筆者はこんな感じでSCの勉強をしました。
- 即時、受験申し込みをするべし
- 「彼を知り己を知れば百戦危うからず(孫子)」の心得で過去問に向き合う
- 「善く戦う者は、人を致して、人に致されず(孫子)」=「勝つための自分にあった作戦をたてて勉強しよう」
- 自分の得意分野を作る
- 得点できない分野は捨てる
- 「最後まで諦めるな。自分の感覚を信じるんだ(ペッピー・トード)」
以下に詳細をお示しします。本記事ではSC試験に受かるための心得を「孫子の兵法」を引用しながら解説していきます(一部、他の漫画やゲームのセリフを引用しています)。孫子は中国の古典的な兵法書です。かの武田信玄の「風林火山」も孫子が出典です。孫子の兵法は戦争という困難な状況に対応するためのメソッドであり、倒すべき敵を想定するものなので、それをそのまま試験勉強の状況に当てはめることはできないのですが、戦争にも資格試験にも「困難に立ち向かう戦い」であるという共通の側面があります。セキュリティとは敵(ハッカー)の脅威から自分の領国やお城(プロダクトや事業)を守ること。筆者は孫子の兵法はセキュリティの勉強にも有効だと考えます。本記事では孫子の兵法を胸にSC試験合格にむけて戦ったIT/セキュリティ分野の勉強の軌跡をご紹介いたします。
まずは受験申し込みをする
TOEICでもIPAの試験でも、試験に受かりたいなら、まず、受験申し込みをすることが全ての基本だと筆者(白い犬)は考えます。可能なら今すぐ申し込みましょう。後回しにしていると、ずるずると試験勉強しない、申し込みを忘れる、ということがありえます。令和8年の試験は SCはおろか他の試験も詳細な日程が不明ではあるのですが、試験を受ける時の心得として基本中の基本なので記載しておきます。筆者はなるはやで試験申し込みをして、それから勉強を計画しました。
試験申し込み可能になったら即日IPAの試験申し込みをしましょう。
https://www.ipa.go.jp/shiken/mousikomi
孫子では基本的に「戦争は国家の一大事なので不用意にしてはいけない」というスタンスです。孫子は「勝ってから戦え」ということを推奨しています(「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求む。敗兵は先ず戦いて而る後に勝ちを求む」(軍形編))。そういう意味では、試験に確実に受かるまで勉強してから、試験申し込みをするのが無駄がなくて最良だとは思います。
ですが、人間そんなに勉強好きではありません。何もなかったら勉強しないものです。また、IPA試験は年に1~2回しかチャンスがありません。SCは年2回、他の高度情報試験は年1回です。逃したら半年後になってしまいます。それに、孫子には、
兵を投ずる所は、亡地なり。陷れば然る後に存し、死地に陥れば然る後に生く。(孫子 九地篇)
とも書いています。これは、「逃げ場のない状況(死地)に置かれた兵は、かえって必死に戦う」という意味です。人間追い込まれないと本気にならなかったり、締め切りがないと原稿を書かなかったりします。島本和彦先生もそう言っています。締切がないと人は原稿を書きません。受験日がないと人は試験勉強をしないのです。ですから、試験申し込みをして試験日を作りましょう。
私たちも迫り来る試験日と戦っていきましょう。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず(孫子)」(試験は情報戦である)
私(白い犬)が資格試験に臨む上で最も重要だと思うのは孫子の以下の言葉です。
「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず。(孫子 謀攻篇)」
これは敵(彼)と自分(己)の情報をきちんと把握してから戦えということです。試験は情報戦の側面があります。
受ける試験がどのような分野でどのような特徴があり、どの水準なら合格できて、今の自分がどの水準にあるのか、自分の得意分野が何かなど、勝利や敗北を決定しうる諸々の情報を把握した上で試験勉強の作戦を立てることが大事です。試験が求める水準と自分の今の実力とのギャップを認識し、それを埋めるための行動こそが、勉強なのです。敵の進行方向がわからなければ、戦場の地図がなければ布陣を検討することもできません。敵の能力がわからなければ対策もできないのです。
ジョジョの奇妙な冒険第三部で、宿敵・DIOの未知の能力の片鱗を垣間見て、歴戦の勇士ジョセフ・ジョースターはこのように叫びます。
山を登る時、ルートもわからん!頂上がどこにあるかもわからんでは遭難は確実なんじゃ!確実!そうコーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実じゃッ!(ジョセフ・ジョースター)
敵のDIOのスタンド能力の正体を把握しなければ、なすがままにやられてしまう。そのような緊迫したシーンでした。試験も同じです。敵(試験)や戦場(試験や分野)についてまずは知らなくては!です。敵と自分の情報を把握し、対策すること、すなわち、試験勉強とは、孫子に曰く、
勝兵は先ず勝ちて而(しか)る後に戦いを求む。敗兵は先ず戦いて而(しか)る後に勝ちを求む(孫子 軍形編)
にしていくことです。勝ってから戦えということです。(試験申込をして自分を追い込みはするが)試験に受かる状態に持ち込んでから試験を受けるようにするということです。試験勉強とは勝ち筋を見出す活動なのです。
自分を知る /【動機】筆者(白い犬)はなぜSCをうけたのか?
ここからは筆者(白い犬)が行った彼我の分析について書いていきます。試験対策を書く前に、なぜ私は情報処理安全確保支援士(SC)の試験を受けたのか?について書いておきます。筆者は2024年の秋にIPAのレベル3の応用情報に合格したので、ステップアップとしてLV4試験であるSCを受けたいと思いました。情報処理安全確保支援士はレベル4のなかでは最も受かりやすいというのポイントでした。LV4の中では最弱なのです。勝てそうです。また、IT業界で働く上でセキュリティはどこでも問われれますので、受験勉強で得た知見が腐ることはないと思います。セキュリティの知識が不足していると自分でも感じていたので、SCの試験勉強の成果が実務で活かせそうなのも受験の動機になりました。
加えて、私は2024年に応用情報技術者試験に受かっているのでSCの午前1試験は免除になります。応用情報の午前試験と同程度難度の試験(問題数は30問)をクリアする必要がないのは大きなアドバンテージです。私にとってSC受験に適していたタイミングととらえました。
これは、孫子に曰く、
激水の疾(はや)くして、石を漂わすに至る者は勢いなり。(激流で水が石を動かすのは勢いがあるからだ)(孫子 兵勢篇)
というやつです。私は応用情報の合格の流れに乗って、次の年に情報処理安全支援確保士を受けたというわけです。今受けないで、いつ受けるというのだ?という感じでした。勢いがある感じでした。チャンスは逃すな、です。
自分を知る/自分の能力の初期状態を把握する
試験前の筆者のセキュリティ力ですが、以下のようになっておりました。自己分析です。
- JTCのソフトウェア開発部門勤務(セキュリティは専門外)
- 昨年に応用情報技術者試験を受かっているので、午前1は免除になる
- セキュリティ専門で業務したことはなくアプリ構築の過程で業務対応した程度
筆者はITの基本知識はあります。セキュリティ専業ではないです。筆者は、勢いにのってやる気はあるが、セイキュリティの知識は今ひとつなITエンジニアということです。
私(白い犬)はSC試験を通じて「セキュリティちょっとわかるマン」になりたいと思っていました。
敵を知る/勝利条件の把握
IPAの試験は受けた試験を6割以上獲得することで、SCも同様です。筆者が受けた場合は以下のような塩梅でした。
午前1:免除
午前2::分、20問のマークシート試験を6割獲得
午後:120分、(4問から選択して)2問の記述式試験を6割獲得
筆者(白い犬)は午前1を免除することができたので、勉強しませんでした。 なので、本記事でも割愛します。午前2試験と午後試験を6割とることがが合格の条件でした。
なお、今後のCBTでは、午前1、午前2、午後試験はそれぞれ、
午前1 → 科目A-1試験
午前2 → 科目A-2試験
午後 → 科目B試験
となるようです。SC試験の仕様ですが、参考書や問題集を一冊買って読めば、SC試験がどのような試験なのかを把握することができます。
敵と自分を知る/過去問を解こう!
試験申し込み、情報収集ときて、自己分析を行い、SCの試験のあらましや、その勝利条件もわかりました。SCはネットや書籍でたくさんでていますので、それらにあたっていけばどのような試験なのかが把握できます。しかし、本当に自分の実力がいかほどであるか? 合格までどのくらいギャップがあるのか? どこまでやれば合格なのかについて、現在地についてまだもやっとしていました。
そこで、私は参考書を軽く一巡させた後で、過去問を解きはじめました。過去問にはなるべく早く取り組むべきだと考えます。
過去問を制する者はIPA試験を制する
過去の多くのIPA試験の受験者はそのように語ってます。特に午前問題は、SCの午前1/午前2でも、過去出題された問題がリユースされて出題されますので、過去問を解くことで今後出題されるかもしれない問題を記憶することができます。過去問を解くこととで、自分が今、合格ラインにいるのか、それともそのはるか前の段階なのか、把握することができますし、自分の得手/不得手を把握して不得意分野を参考書で補強できたりと、過去問を解くことはいいことずくめです。
午前2の過去問は過去問道場さんで決まり
SCの午前2の過去問を解くことに関しては、過去問道場さんが鉄板かつ最終的な解決方法になっております(2025年秋)。筆者も過去問道場さんの過去問を直近の2回を除いた(直近2回は次の試験では出題されないので)過去10回分ぐらい解きましたところ、一月ぐらいで6割オーバーの合格ラインに到達できました。
情報処理安全支援確保士過去問道場
https://www.sc-siken.com/sckakomon.php
情報処理安全確保支援士ドットコム
https://www.sc-siken.com/
情報処理安全確保支援士ドットコムさんのほうには午後問題もありますので(解説がある問題とない問題がある)、午後対策でも活用できると思います。
午前2の過去問で6割オーバーを維持できるようなら、午前2の対策はほどほどにして、時間を午後対策にあてたいところです。SCの午後問題(科目B試験)は記述式なので、マークシートの午前(科目A試験)の問題よりもはるかに修得が難しいからです。
午後の過去問は「重点対策」と「上原本」の2本立て
午前2の過去問をある程度こなせるようになった段階で、筆者(白い犬)は以下の参考書の過去問を解いて解説を読みました。
2026 情報処理安全確保支援士「専門知識+科目B」の重点対策(筆者が買ったのは2025年度版です)
重点対策ではSCの試験の特徴や、解き方が丁寧に解説されていて参考になります。また、過去問がセキュリティの分野ごとの分類されていることもポイントです。自分がどの分野が得意で、どの分野が不得意なのか、把握できるのです。これが後々「特定の分野の勉強を捨てる」という戦略的な判断に寄与するのです。
筆者がSCの午後問題の過去問を解いていて感じたのは「問題の題材になっていることを実務でやっていると超有利」「実務で知っていないと不利」という(ある意味あたりまえの)感覚でした。実務経験があると、問題文に載っているセキュリティインシデントが起こった背景や対策を想像しやすく、実務経験がないと問題を時ながら想像するしかなくなるので、SC試験における回答者の実務経験の有無の差は大きいと感じました。
午前2は過去問を解いて知識が蓄積されていけば6割を担保することはそれほど難しくないと感じましたが、午後問題は実務経験に裏打ちされた経験値が活きてきます。セキュリティインシデントや対策への想像力のようなものが試されます。
実務経験なんて、すぐには身につかないので、過去問には過去のセキュリティ事案をもとに問題が作られているでしょうから、なるべく多くの午後問題の過去問に取り組むことが得策だと思います(他に事例を学んでおくことが重要だと思います)。
なお、重点対策では本に収載されている過去問の他には、午前2の過去問と平成20年以前の午後問題がダウンロードできるのですが、それ以外の午後問題の過去問については解説がありません。重点対策の過去問は、本に収載されているもの以外の解説は得られないということです。SCの午後問題は実務経験が問われてきますから、なるべく背景をふかぼってくれる識者の解説と合わせて学習したいものです。
そこで、目をつけたのがこちらの参考書(上原本)です。
令和8年 情報処理教科書 情報処理安全確保支援士 2026年版/テキスト 現役の専門家による知識解説 試験22回分の過去問題解説PDF
この参考書は上原先生の著作なので、上原本と呼ばれています。上原本では、SCの試験範囲のセキュリティの分野の知識が整理されてほぼほぼ網羅されており、SCの参考書として定評があります。それに加えて、上原本では午後の過去問題とその解説がWebからダウンロードできるのです。これにより、重点対策でセキュリティの分野毎の重要な過去問リスト(年度と春/秋、午後1と午後2の何問目かがわかる)から回を選んで上原本の過去問解説を読むということができるようになります。例えば、Webセキュリティ分野の午後問題を集中して解きたいといったふうに、自分の不得意分野を克服する、自分の得意分野を伸ばす、などの目的に応じて午後の過去問を選んで解くことができるようになります。
重点対策1冊だけでは過去問の解説が足りず、上原本1冊だけでは過去問の分野カテゴリがわかりません。しかし、2冊あれば、分野ごとの午後過去問と解説つきで勉強できるというわけです。筆者は重点対策と上原本の2本だてで午後問題の対策に取り組みました。
過去問と向き合うことで浮かび上がるギリギリ感
筆者(白い犬)は午後の過去問を解いていて感じたのは「自分は6割とれているかいないかのギリギリの線上にいる」ということでした。受かるかどうかは確信が持てない、採点が厳しければすぐに落ちてしまうであろう、危機感です。今のまま漫然と全分野を勉強しても、6割突破できるかわからないと感じました。
そして、SCのセキュリティの分野にも、自分の業務に関係しそうな取り組みやすい分野と、そうでない分野があるとういことに気がつきました。そこで、特定の分野を補強して「その分野が出題されたら高い確率で6割オーバーの回答が作れる」という得意分野を作る作戦をとることにしました。
では、どの分野を補強するか?
自分の業務に関係しそうな分野は以下です、
認証とアクセスコントロール(OAuthとかFIDO認証とか)
クライアントセキュリティ(ランサムウェアとか標的型メール攻撃とかVPNなど)
サーバセキュリティ(WebサーバのセキュリティやDNSサーバのセキュリティなど)
セキュアプログラミング(JavascriptやWebサイト関連)
インシデント対応
PKI(公開鍵暗号技術と電子証明書)
ログ
業務でさわったことがあまりない分野は以下です。
ファイアウォール・IDS・IPS・UTM
電子メールのセキュリティ
セキュアプログラミング(C言語、Java言語)
物理的セキュリティ対策
重点対策によりますと、最近のSCの出題傾向などから、認証とアクセスコントロールやWebアプリ開発時のセキュリティの出題される傾向があるとのことでした。そこで、(自分の業務に関係しそうな)Webアプリを構築する際のセキュリティ分野(Webセキュリティ)を書籍とハンズオンで補強することにしました。
Webセキュリティの補強(自分の得意分野を作る)
Webセキュリティに関しては実務でも知識が問われることがあるので、私は以下の合格体験記事を参考にWebセキュリティ分野のエンハンスのため「徳丸本」を勉強しました。
非SE文系が情報処理安全確保支援士(R6秋)に一発合格した方法【合格体験記】
https://note.com/nanchane/n/n387a076af0fb
情報処理安全確保支援士「徳丸本」読むべきページとハンズオンの要否【非SE向け・webセキュリティ対策】
https://note.com/nanchane/n/n48ebe7501fbe
体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 第2版 脆弱性が生まれる原理と対策の実践(徳丸本)
徳丸本では、Webサイトの脆弱性が生じる原因やクラックする方法が解説されています。VirtualBoxやDockerでセキュリティ的に穴のあるサイトを実際に動かして学ぶことができます。SQLインジェクションやCSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)やXSS(クロスサイトスクリプティング)といった代表的な脆弱性を仮想環境で体験できるのです。これら脆弱性は私(白い犬)の会社のプロダクトでも対策検討項目になるものなので、自分の実務経験をベースに知識を強化できるという目論見がありました。
試験対策としては、徳丸本を読んでハンズオンを実施しないで、その時間だけ他の過去問を解いた方がよかったかもしれないという葛藤もありました。徳丸本を読み終えるのに1~2週間を消費したのです。しかし、実際のアプリケーション構築のセキュリティ対策に役に立つこと、ハンズオンで実務に沿った知見が得られるため、今ではやって良かったと思います。また、私は徳丸先生本を読んでWebセキュリティに入門したおかげで、実際の試験でも絶対にWebセキュリティ問題を解こうと決意したのでした。問題選択の迷いが減ったという効果がありました。
時間もないので・・・苦手な分野を捨てる・・・(捨てた)
筆者は重点対策に収載されたすべての午後の過去問を解きいた後、重点対策でピックアップされた午後過去問について上原本のダウンロード問題を解いてその解説を読むということをしていたのですが、試験日が近づいてくると、すべての分野の過去問を解くことは時間的に不可能だということがわかりました。
午後問題を解くのにかかる時間は45分から120分なので(過去のSCの午後問題は午後1と午後2と分かれており、午後1は1問45分、午後2は1問120分かかる。現在の午後問題は75分)、解説を読むこともあわせると、休日を1日費やしても解ける問題数は2~4問がせいぜいです。
このことから試験日までの残り日数から試験日までに解ける過去問数は明らかになります。試験日までに全ての分野のピックアップ過去問を解くことは私(白い犬)には不可能でした。そこで、忸怩たるものもありましたが、特定の分野の過去問を解くことを捨てました。自分の業務に関連しそうな認証やWebセキュリティ、DXなどのテーマの過去問に絞って解くことにしました。IPAの十大脅威には、標的型攻撃やランサムウェアが挙げられていましたし、リスクアセスメントも重要だなと考えていました。
残り時間に追われて涙目ではありましたが、試験では6割とればいいのです。また、SCの午後問題は4問から2問を選択する形式です。本来ならばセキュリティの全分野をきっちり学習して試験に臨めばいいのでしょうが、時間が足りないので、分野をしぼることにしたのです。苦手な分野は捨てることにしました。苦手な分野が出ている問題は選択しなければいいのです。
メールセキュリティとDNSは捨てる(あとで勉強しよう)。セキュアプログラミングにしてもバッファオーバーフローなどのC言語で記述するハードウェアよりのプログラミングよりも、Webサイト上のセキュアプログラミングのほうになじみがあります。C言語とJavaを捨てました。
孫子にも曰く、
善く戦う者は、人を致して人に致されず。(孫子 虚実編)
とあります。優れた将は敵を動かして、自分は動かされない。戦場では戦況に応じて臨機応変に対応していかなければなりません。戦場を支配するのは俺だ。試験でも同じことです。自分で主体的に戦い方(勉強の仕方)を調整していきましょう。
IPAの資料を読もう
IPAの資料にはSCの試験に出てくるであろう最近の話題が掲載されています。
情報セキュリティ10大脅威
https://www.ipa.go.jp/security/10threats/index.html
試験の直前に読んでおくことをおすすめします。令和7年の秋のSC試験の午前2に出てきた「PSIRT」(Product Security Incident Response Teamは、自社が提供する製品・サービスの脆弱性やセキュリティインシデントに専門対応する組織)ですが、あの分厚い上原本にも載っていない言葉です。でも、IPAの資料には載っているのでした。IPAの白書や活動成果報告書などの文書や一通り目を通しておくと吉かもしれません。
試験前日には模擬試験をしよう
応用情報試験の記事でも似たようなことを書きましたが、前日は試験当日の時間割で模擬形式で問題を解いて、解説は読まない、みたいなことをしました。午前2での時間配分や、午後問題で問題選択を行う練習など、実践形式の演習になります。ぶっつけ本番で試験を受けるのではなく、なるべく一回試験日を体験しておくことが、当日に最高のパフォーマンスを出す秘訣だと思います。人間一度経験したことには動じませんから。
最後まで諦めるな、自分の感覚を信じるんだ(ペッピー・ヘア)
令和7年10月初旬の私(白い犬)は、過去問を全部解くのを諦め、メールセキュリティやDNSといった苦手分野を突き詰めることを捨てて勉強を進めてはいましたが、午後の過去問を解いても解いても6割ギリギリという状況でした。合格する確信はまるでありませんでした。ともかく、試験を受けて、ベストを尽くそう、尽くせればOK、と考えていました。そしてやってくるSC試験の当日、筆者(白い犬)の心持ちは以下のような感じでした。
ギリギリまで…
こうして…
とにかく…全ての何もかもが限界に達した時!
ようやくそのSTAGEの『ゴール』が見えてくる
そしてどういう理由なのか?まったくなぜなのか?
誰かが合図を送ってくるのか?というくらい偶然に!
個々の能力に…走行差があるはずなのに!
それなのに……この時!他の競争相手も一斉にゴールに向かって集結してくるッ!
お互い 限界を乗り越えて来た残りギリギリのエネルギーを
この時点でふりしぼって使い果たすためにッ!
(スティール・ボール・ラン 31話より、荒木飛呂彦先生、著作)
SC試験を受けた直後は、午前2はとったな?と手応えがありました。令和7年秋の午前2は簡単だったと思います。午後試験では、Webアプリのインシデント対応/セキュアプログラミングの問1およびリモートワークとVPNのセキュリティ対策に関する問3を選択し、すべての解答欄を「これが俺の答えだッ!」と回答で埋めました(なお、問2は暗号化技術、問4はサプライチェーンのセキュリティでした)。ベストは尽くしたといっていい手応えでした。
結果は合格でした。

午後問題は68点とギリギリではありましたが、合格でした。令和7年の秋季試験のSCの合格率は22.3%で、それまでの合格率よりも若干高くなっています(令和7年春は19%)。私はまた運がよかったのかも? 何にせよ、受かってほっとしました。諦めずに最後まで頑張ってよかったです。
最後まで諦めるな、自分の感覚を信じるんだ(ペッピー・ヘア/スターフォックス64より)
次の試験や勉強の展望
次の試験には、業務で使っているAWSの試験を受けようかと考えています。AWSの修行を積みたいです。IPA試験のほうは、秋にCBTで苦手なネットワークスペシャリスト、次の春にデータベーススペシャリストを狙ってみようかと思っています。その後は、高度試験は統合されて別の試験になるそうなので、そちらの試験にも突貫してみたいと思います。
未知の試験の対策をどうしたらいいのか? IPA試験業界の皆さん、他の受験者のみなさんと一緒に考えていければと考えております。
情報処理安全確保支援士試験の申し込みから合格までのX(twitter)タイムライン(おまけ)
情報処理安全確保支援士試験のの勉強中の生の声を記載して、本記事を終えたいと思います。色々ありました。でも、最後まであきらめなくて、よかったです。
SC試験勉強は試験申し込みから始まる。
過去問道場さんで午前2の過去問を解くところからスタート。最初は6割なんてとれません。
セキュリティの勉強自体は楽しかった。手を動かして学ぶと身に付く気がする。
野望・・・
午前2の過去問を解く。6割到達への道は遠い。
ヴェンデッタ(vendetta)とは、イタリア語で「復讐」や「仇討ち」を意味する言葉。この場合は過去問の復習をしたということ。できなかった問題の復習は大事です。
午前2で6割を超える。一週間ぐらい過去問を回していたらいけました。
この頃はまだ午前2の6割超えは安定してなかった。
午後問題の過去問を解き始める。
午前2は順調にしあがってきた。
午後問題対策にシフトしていく。
以後、午後問題の安定した6割越えが課題となる。
セキュリティちょっとわかるマンになれたかな・・・?
平日は労働に精一杯で資格試験の勉強などできない(泣き言)
SCの午後問題の手強さを痛感する・・・。
勉強自体はたのしくできた。
ハードよりのセキュアプログラミングについて
地道にがんばる・・・。
IPAの資料は都度みていきましょう。
この頃、SCの午後試験の実務経験の重要さに気づく。
この辺から午後対策中心に進めた。
午後問題の6割のライン上にいる。
試験勉強におけるタイムマネージメント。
モチベーションの源。
徳丸本でWebセキュリティのエンハンスを始める。
でも、なかなか得点には結びつかない。
SC試験は問われる知識が多い。
試験日が迫ってきている・・・。
徳丸本を一通りハンズオンしたが、過去問解いての得点には結びついていない実感があった。しかし、今思えば、徳丸本は無駄ではなかったと思う。
弱音を吐いてから奮起する流れ。
この頃、受験票が届く。
午前2の確認。6割維持できてるから午後対策に集中した。
週末に午後の過去問を解いた。
セキュリティ業務の実務経験の有無の壁は高い。
徳丸本に時間を費やした葛藤。
DNSは苦手・・・。
苦しい展開が続いている・・・。
時間は有限なのでヤマをはる。6割とる勝つための選択。苦手な分野の問題は選択しなければいいだけのこと・・・!
勉強しても勉強しても極まった感じがしない日々だった。
この辺は学生時代から何も成長していない・・・(涙)
しかし、弱音を吐くのは、奮起するためのプレリュードだッ!
がんばれ、がんばれな日々。
厳しい道のりをぬけてゴールは目前だ・・・。
直前の午前2の復習。解けなかった問題を再び解く。
最後の1日。試験前日。模擬試験形式で過去問を解いた。
勝つか負けるかわからない。勝てる確信はなかった。
SC試験当日。ベストは尽くせたっぽい。
受験地は横浜のまんなかだった。長い戦いが終わった・・・。なお翌日は休日出勤の模様・・・。
そして、結果を待つこと3ヶ月・・・。
合格してた。結果を見る前はドキドキしてました。最後まであきらめないでよかったのだ。
最後まで記事をおよびいただきありがとうございます。とても長い記事になってしまった・・・。

